コロナ 免疫 検査。 新型コロナ:抗体検査、全米で実施検討 新型コロナの免疫確認 (写真=AP) :日本経済新聞

コロナに免疫の「ニュータイプ」を探す抗体検査が医療崩壊を救う日

コロナ 免疫 検査

果たして、どんな検査でどんな目的で行われるものなのか。 実際に、抗体検査を体験し、その体験を踏まえて現状や課題などを解説する。 このように考えてしまう人は多いのではないだろうか。 実は私もそうだった。 近年、春先になると、2~3年前くらいから発症した花粉症に加え、決まって風邪をひいていた。 今年はコロナ予防のため、手洗いやうがい、マスクの着用などを徹底していたせいか、幸いなことに発熱や咳(せき)といった風邪症状は家族含め、出ていなかった(目のかゆみや鼻水、くしゃみはあったが、花粉症と思われる)。 新型コロナウイルスの大きな特徴は「感染していても、無症状の人が多い」という点だ。 なので、自覚症状がなくても、ついつい「もしかして、過去には自分も…」と思ってしまう。 そんなとき、私が持病の高血圧治療のために通院している都内のクリニックで、新型コロナウイルスの抗体検査を実施していることを知った。 そのクリニックは予約制であり、ホームページから申し込む仕組みである。 「次の予約はいつにしようか」とホームページを開くと、「新型コロナ抗体検査の予約再開しました」という告知が目に飛び込んできた。 抗体検査は、最近のニュースでも「PCR検査」や「抗原検査」と並び、よく耳にするようになった検査ではあるが、詳しく知らない人も多いだろう。 新型コロナウイルスの抗体検査とは何か。 これは、まさに「過去に新型コロナウイルスに感染したかどうか」を知るための検査である。 その仕組みは、ざっくり説明すると、新型コロナウイルスが体内に侵入してきた際、体内ではそれを排除するための免疫反応が起こり、特定のタンパク質(抗体)が作られる。 抗体検査は、その抗体の発現を測定するものだ。 用途でいえば、新型コロナウイルスに関するPCR検査や抗原検査は「現在、自分は新型コロナウイルスに感染しているか」を調べる「診断用」である。 これに対し、過去の感染歴を調べるものであり、主に「研究用」である。 なので、通常は診断には使われない。 私が 抗体検査を受けた理由 さて、話がそれてしまったが、ここで私の「抗体検査体験談」を取り上げてみたいと思う。 抗体検査を実施していたのは、東京・新宿駅近くの「ナビタスクリニック新宿」である。 実は同クリニックでは2回目の調査で、5月15日から再開されたようだが、ホームページを見ると、既にだいぶ予約が埋まっており、仕方なく、5月22日の夜間帯を予約した。 費用は6600円(税込み)で「発熱等の症状のある方は、発熱後2週間経過してからご予約をおとりください」との注意書きがあった。 ちなみに、前回は5500円(税込み)だったようだ。 予約時間帯にクリニックを訪問すると、受付の女性から「新型コロナウイルス抗体検査について」という説明同意書と体温計が渡された。 説明同意書は、計3ページ。 (1)新型コロナウイルス抗体検査の目的、(2)検査の利点と限界、(3)検査方法、(4)検査費用・そのほか、という項目ごとに書かれた説明書が2ページ。 残り1ページは「問診票」と「同意書」であり、医療スタッフが「診断結果」を示す記入欄があった。 「(2)検査の利点と限界」の項目では、「実際は新型コロナウイルスに感染しているのに、抗体検査では「陰性」と判定されることがあります(「偽陰性」)」という一文にはアンダーラインが引かれ、強調されていた。 問診票には(1)2019年12月以降の発熱の有無、(2)PCR検査の有無、(3)同居人でコロナ感染者と診断された人の有無、(4)医療機関に勤務の有無、の4項目が記されていた。 私の場合、すべて「いいえ」や「なし」を選択。 体温は36. 5度だった。 検査自体は簡単 わずか約15分で結果が出た 検査自体は非常に簡単だった。 指先から採取した微量の血液を簡易キットに垂らし、わずか約15分で結果が出た。 説明書には「少量の血液を採取させていただきます」と書いてあり、看護師さんからは、「ちょっとチクッとするかもしれません」と言われ、注射嫌いの私はちょっと緊張した。 実際は、痛みはまったくなく、拍子抜けしたほどだった。 後で知り合いの医療関係者に聞けば、最近のこうした検査用の針は針先が非常に細いので、痛みはほとんど感じないそうだ。 やがて診察券番号が呼ばれて診察室に入ると、マスクをした女性の担当医師が微笑(ほほえ)みながら口を開いた。 「結果は陰性(感染したことがない状態)です。 これからも感染防止に努め、注意してください」 「陰性」という結果と担当医師のサインと日付が入った文書が渡された。 「陰性」の結果でも 複雑に感じる理由 私はホッとはしたが、その一方で「ちょっと残念な気持ち」にもなった。 正直、複雑な心境だ。 これには少し説明が必要かもしれない。 あくまでも「一般論」だが、「特定のウイルスに抗体がある場合、そのウイルスに対してはある程度の免疫(抵抗力)を持つ」といわれている。 なので、抗体検査の陽性者は「ある程度の免疫がある」という見方もあり、事実、英国やチリなど一部の国では「免疫証明書」を発行するという動きがあった。 つまり、陽性だった場合、知らないうちに誰かから移されて感染したことになり、一時的には他の人を感染させる可能性もあったかもしれない…。 この点については「ホッした」気分である。 その半面、陽性であれば、自分が次に感染するリスクは低くなる可能性もあり、この点については「ちょっと残念な気持ち」ということだ(当然ながら「陽性」の結果にも、複雑な気持ちを持つ人は多いようである)。 もっとも新型コロナウイルスの場合、「過去の感染者が再び感染する」という報告例が多々あるのは、多くの報道でも見られるように周知の通りだ。 そこで、詳しくは後述するが、私はあえて「この複雑な気分」について質問をしてみた。 上記のような事情は、一般の人には非常に判断しにくいものだからだ。 「先生、もし陽性だった場合でも、再び感染する可能性はあるのでしょうか」 担当医師からの回答はとても明快なものだった。 「再び感染する可能性はあります。 なので、陽性者であっても感染防止には十分に気を付ける必要があります」 詳細が分かっていない以上、明確に「感染リスクを避ける」という考えで、説明の方向性は徹底しているようだった。 抗体検査を巡る いくつかの問題点の指摘や議論 「米ニューヨーク州での抗体検査、陽性者が12. 3%」などというニュースを聞いたり、見たりした人も多いだろう。 日本も含め、新型コロナウイルスの場合、実際にPCR検査で発見されるよりも、はるかに多くの市中感染者がいると推測されている。 このため、抗体検査は「どのくらいの人々が感染していたか」という状況を把握する調査目的で使われることが多く、世界各地の大学・研究機関、自治体などで実施されつつある。 日本でもナビタスクリニックをはじめ、東京大学、大阪市立大学、神戸市立医療センター中央市民病院などの医療機関や研究機関でも行われている。 もっとも、抗体検査を巡っては、いくつかの問題点の指摘や議論もあるようだ。 まず、被検者の集め方などの検査方法を巡る議論。 例えば、ナビタスクリニックをはじめ、国内外で実施された抗体検査では、被検者を希望者やボランティアで募集するケースがある。 その場合、無作為抽出法で選ぶ調査方法に比べ、母集団に自分や身近な人が発熱して心配だった人が集まりやすいなど「偏り(バイアス)が出やすく、陽性率が高くなりやすい」との指摘がある。 実際、ナビタスクリニックが希望者(202人)を集めて実施した抗体検査(4月20~28日)では、5. 9%の12人(男女とも6人)が陽性だったという。 この結果については、4月30日付けの東京新聞1面で、『』という見出しで、報道された。 私はこの記事を見逃していたが、この報道には、多くの読者や専門家から「検査対象に偏りがあり、誤解を与える」との批判が寄せられたらしく、後日『』という同社の見解が出されていた。 これとは別の話になるが、技術的な課題を知り合いの製薬会社の社員に聞いたところ、メーカーによって検査キットの精度にバラツキがあるなどの問題もあるらしい。 将来的な課題として、中央大学大学院戦略経営研究科教授、多摩大学大学院特任教授であり、医師でもある真野俊樹氏は、「パンデミックが長引いた場合には、大規模な抗体検査の意義や重要性は増すことになる。 久住英二理事長に 追加取材してみた 今回は、あくまでも私の個人的な関心で抗体検査を受けたものである。 その後、身近な人に検査結果について報告すると、意外と抗体検査の目的などを知らない人が多かった。 診断用の抗原検査と勘違いする人さえ多くいた。 そこで、体験を踏まえて「抗体検査」の記事を書こうと思い、後日、ナビタスクリニックに追加取材を申し込み、同クリニック理事長の久住英二医師がそれに応じてくれた。 一問一答は下記の通り。 感染後の測定可能となる対象期間はそれぞれ異なるようです。 その測定可能期間を教えてください。 まず、PCR検査は、発症時には診断可能です。 (PCRは遺伝子を増幅させる検査のため)ウイルスのRNAの断片があれば陽性に出るので、ウイルスが死んでいても、かなり長期にわたって検出されます。 従って、発症時の診断には役立ちますが、発症1週間後以降のPCR陽性は、意味がありません。 抗原検査は、発症時には診断可能と思いますが、PCR検査より感度は劣ります。 まだ使用が始まったばかりで、いつまで検出されるのか分かりません。 抗体検査は、定性検査と定量検査に分けられます。 一般的にクリニックなどで気軽に受けられるのは定性検査です。 抗体にはさまざまな種類があり、ウイルス感染の場合、主に感染早期に現れる「IgM」、IgMから遅れて現れて、その後も長期間出現し続ける「IgG」の2種類があります。 定性検査のIgMは感度が安定せず、アテになりません。 一方で、IgGの信頼性は高いです。 IgGの半減期は6週間ほどであり、かなり長期に検出可能です。 抗体の定量検査は、まだ実施できる民間の臨床検体検査会社がありません。 感度、特異度ともバラツキがありますが「どの程度のバラツキなのか」は日本では公表されていません( ちなみに、当クリニックで使用しているキットは、販売元の提供している情報によると、おおむね、感度(病気を正しく「陽性」と判定できる能力)70〜80%程度、特異度(病気がない場合に正しく「陰性」と判定できる能力)90〜100%と報告されています。 では、発病してPCR陽性だった患者の血液を用いて、96. しかし、日本の医療機関では「抗体検査が陽性でも再度、感染する」という説明をして、注意喚起するのが主流のようです。 私もナビタスクリニックで「たとえ陽性であっても再び感染する可能性がある」との説明を受けました。 とすると、スウェーデンなどの「集団免疫」論とか、海外で検討されている「免疫証明書」の発行は理屈が通りません。 どっちが本当なのか。 一般の人はかなり混乱すると思われます。 例えば、風疹の抗体価は、IgG価(抗体の量)で6. 0ないと再感染することがあります。 抗体は単純に「あれば良い」のでなく、「十分にある」必要があります。 現在、医療機関で気軽に受けられる定性検査では「どの程度の抗体があるのか」は分かりません。 かつ、「再感染を防ぐには、どの程度の抗体価があれば良いのか?」が新型コロナウイルスではまだ分かっていません。 SARSやMERSについても、早く封じ込められてしまったので、分かりません。 従って「再感染するリスクは下がり、その場合も症状は軽くて済む可能性が高い」という予測はあり、その可能性が高いと考えていますが、「それは科学的にはまだ証明されていない」ということで、保守的な説明をしているのが実態です。 公表の予定はあるのでしょうか。 新型コロナウイルス感染症が「どの程度広がっているのか」を知るためです。 サンプル数は増加し続けますし、時系列で公表していきます。 今後も引き続きサンプル数を増やして、定期的に報告していきます。 個人情報保護を順守し、個人が識別されないような形式で、学術論文としても公表させていただく予定です。 無作為抽出したサンプル集団での抗体価は、早急に調査すべきです。 しかし、厚生労働省がやると言っていた抗体検査も、無作為抽出でなく、。 そもそも無症状感染者が多く、かつ特異的な症状のない感染症では、ランダムサンプリングも、希望者の検査も、実は得られるデータはそんなに変わらないだろうと考えています。 スピードをとるか、あくまでバイアスの除去を優先(絶対ゼロにはならない)するかです。 大抵は、どのようにランダムサンプリングしても、だいたい半分くらいには断られてしまいますから、結果的には全然ランダムにならないのが実情です。 まず、そもそも抗体検査は保険が適用されていないので、全額自己負担となってしまいます。 今回、価格を変更したのは、前回の5000円(税抜き)では人件費をペイできないので、6000円(同)にしました。 この金額は決して法外な利益を得ようというものではありません。 われわれは民間の医療機関です。 税金を使って適当な、遅い調査をするどこかの機関と異なり、ナビタスクリニックは市民がボランタリーに参加し、検査にかかる費用も自ら支払うという、観察研究の新しい形を作ったと自負しています。 当面、世界中で実施される機会が増えるだろう。

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「血清検査」でロックダウンからの解放なるか、新型コロナ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

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RT-PCR法として知られる現行の検査方法は、検体採取に侵襲性を伴う場合があり、個人がウイルスに感染しているかどうかを調べるのに遺伝子解析を用いる。 血清検査は、血液1滴だけで実施でき、ウイルスの抗体を見つけることに重点を置いている。 抗体があれば、その個人はCOVID-19にかかっていたが、すでに免疫を獲得している可能性が高いということになる。 英バース大学()のアンドルー・プレストン()准教授(微生物病因学)は「抗体は免疫応答の重要な構成要素の一つだ。 感染から約1週間で検出可能になり始める」と説明した。 COVID-19の免疫応答に関連する抗体は2種類ある。 人体がウイルスへの反応の初期段階に生成するIgMと、感染の後期に出現するIgGだ。 現在開発段階にある検査は、IgMとIgGの両方の抗体を同定できる。 これらの抗体は、新型コロナウイルスに対する患者の自己免疫反応を示す重要な特徴となる。 血清検査が広く適用可能になれば、現在世界中で数十億人が経験しているロックダウンから解放・職場復帰できる状態の人を確認するために利用できるようになる。 仏生物学者連合()のフランソワ・ブランシュコット()会長は、AFPの取材に「主要な課題は、皆が職場に戻れるようにするにはどうすればよいかだ」と語った。 だが一部の専門家からは、血清検査の世界的な需要が供給を著しく上回る可能性が高く、生産が追い付かないことを指摘する声も上がっている。

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新型コロナウイルス検査 「PCR検査」と「抗体検査キット」の違いは?(柳田絵美衣)

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はじめに --2による COVID-19の流行によって一気に広まった専門的用語として、「 検査」とともに「 集団免疫」や「 抗体検査」などが挙げられます。 免疫という言葉は一般人でも「免疫を落とさないようにしなきゃ」とか「免疫をアップしよう」とか、割と通常の会話で使うことがありますが、その生物学意味や抗体との関係について説明するとなると、基礎知識がないとなかなか大変です。 もう2ヶ月も前に、知り合いの人に「新型コロナの抗体検査って何? あなた微生物やってた人だからわかるでしょ」と言われました。 私自身も、ウイルスや免疫についてはほとんど門外漢なのですが、その時は大学の授業で取り上げる教科書程度の知識で説明しました。 それ以来というわけでもないですが、私自身の興味もあって、メディアを通じてあるいはときには原著論文を直接当たって、--2に対する免疫や抗体について情報収集してきました。 この記事では、抗体検査の現状やその解釈について紹介したいと思います。 抗体と免疫 抗体とは、私たちの体に細菌やウイルスなどの異物(これらを 抗原と言います)が入ってきた時、抗原の種類に応じて特異的に結合し、その異物を生体内から排除するように働く分子です。 その実体は、 という 糖タンパク質 の一種です。 私たちの体はどんな異物が侵入しても、その抗原にぴったりと合う抗体を作ることができます。 抗原が体の中に侵入すると、それに抗体が結合することによって、 免疫細胞が活性化され、異物を排除します。 抗体の基本構造ですが、2本のL鎖とH鎖からなる Y字の形をしています( 図1)。 抗原と結合するのは、Y字の形の先端半分の部分です。 この部分は抗原の種類ごとに異なる構造に変化するため、 可変領域と呼ばれています。 可変領域以外は 定常領域と呼ばれており、免疫細胞に結合する領域です。 すなわち、 抗体は抗原を認識すると同時に、 免疫細胞上の受容体の役割も担っています。 抗体の基本構造:抗原に結合するのはY字先端の可変領域. は5種類(IgG、IgA、、IgD、IgE)が知られていますが、抗体検査ではこれらの種類のうち、 と IgG(時として IgA)を標的として測定されます。 とIgGは血液中に存在する一方、IgAは、主に喉や気管支、腸の粘膜に存在します。 抗原となる細菌やウイルスに感染すると、は感染初期から7日目までに生成されます。 一方、IgGは感染からだいたい10日目以降につくられます( 図2)。 すなわち、抗体検査でを検出すれば感染の初期、IgGを検出すれば感染後期か、あるいはすでに治癒したことが大まかにわかります。 感染初期につくられるの抗原に対する親和性は、一般的にIgGに比べて弱いとされていますが、5-6個が集合することで( 図2中の参照)、その結合力を補っています。 抗原が侵入した後の2種類の抗体量の時間的変化. 免疫には「 自然免疫」と「 獲得免疫」の二つがあります。 異物の侵入に対してまず攻撃を仕掛けるのが自然免疫です、白血球の一種である好中球、マクロファージ、リンパ球の一種であるルキラー(NK)細胞が、この即応攻撃の役割を担います。 それでも撃退できない場合は、獲得免疫のシステムが働きます。 この免疫系には、 B細胞が主体となる 液性免疫と、 キラーT細胞が主体となる 細胞性免疫があります。 抗体はこのB細胞によって産生されますが、それにはヘルパーT細胞の助けが必要です。 外敵の侵入に伴って樹状細胞に刺激を与えられたヘルパーT細胞は、周囲の免疫細胞に対して分化・増殖を働きかけます。 そうするとB細胞は分化して抗体を産生します。 抗体はB細胞上の受容体の役目もします。 抗体検査 --2に感染すると、このウイルスに特異的な抗体がつくられ、その中でIgGは長期間維持されると考えられますが、詳しいことはまだわかっていません。 抗体検査でIgGが検出されれば、過去に-CoV2に感染したjことの証明になり、このウイルスに対する獲得免疫をもつ可能性も考えられるわけです。 現在、多くのメーカーからCOVID-19感染検査用の抗体検査キットが出されていますので、簡単に検査することができます。 サンプルとして血液数滴があればよく、15分くらいで結果が出るものが多いようです。 今日(5月5日)、テレビのワイドショーではそのうちの一つである、が中国から輸入した抗体検査キットを紹介していました( 図3)。 このキットではとIgGが調べられるようになっていますが、まだ保険適用になっておらず、1回1万円前後と高いです。 テレビのワイドショーが伝えたの抗体検査キット. ちなみに、テレビのワイドショーで放送される中でしばしば誤解されていると思うことが、検査と抗体検査です。 これらの検査の意義を混同しているコメンテーターの意見がしばしば散見されます。 検査は抗原にあたるウイルスの遺伝子を調べることになるので、体の中にウイルスが侵入したかどうか、つまり感染しているかどうかを直接証明する検査です。 一方、 抗体検査は感染した後につくられる抗体を検出する方法なので、それまでに感染があったかどうかの事後証明の検査という位置付けになります。 海外におけるの抗体検査の状況 --2に対する抗体検査は、海外のいくつかの国において先行して行われています。 4月9日、ドイツの病院の研究グループは、オランダとの国境にあるガンゲルト(Gangelt)において行なった抗体検査の結果について中間報告を行いました [1]。 ガンゲルトはドイツでのCOVID-19の流行が、最も顕著であった地域の一つです。 査読前論文集メドアーカイヴに発表された論文では、米国での抗体調査結果が報告されました [2]。 4月11日に実施されたこの調査は、とIgGに対する抗体検査であり、この検査での特異度が99. 3,330人に対する検査結果では粗データとしては1. 最終的に、地域の人口の2. ドイツの結果と比べると、抗体陽性者数の割合が低いです。 4月23日、米国のクオモ知事は、の 13. これは19の郡の無作為に選んだ7500人を対象とした そしてその後この数字は 14. やにおける高い抗体陽性率は、日本のメディアでも驚きをもって伝えられました [5]。 なぜなら、抗体陽性者の数は検査をベースにした確定陽性者数の10倍以上にもなるからです。 この事実をそのまま見れば、予想以上の--2の感染が広がっており、その大部分は症状がない不顕性感染だということになります。 日本国内の抗体検査 4月30日、は、東京都区内の病院における--2の抗体検査で、一般市民の4. これは、当該ウイルスの感染実態を調べるため、テレビでもおなじみの久住英二医師が理事長を務める新宿区とのクリニックで実施したものです。 ホームページで希望者を募った上での検査であり、対象とした2020人全体では 5. この中には検査で陽性、あるいは陰性と判定された人も数人含みます。 検査に使ったのは、上記のの抗体検査キットです。 神戸市の市立医療センター民病院の医師などのグループは、2020年3月末から4月7日にかけて、COVID-19以外の理由で外来を受診した患者から無作為に1000人を選び、血液中の--2の抗体検査を行いました [7]。 その結果、33人( 3. これをそのまま神戸市の人口に換算すると、およそ4万人が感染したことになります( 図4)。 5月2日夜に記者会見した当該病院の木原康樹院長は、調査の対象が外来患者に限られることや検査の正確性に一定の課題があるとしたうえで、「想像以上に多くの市民がすでにウイルスとし、抗体を獲得している可能性がある」と述べました。 テレビのワイドショーが伝えた神戸市の市立医療センター民病院による抗体検査. 5月1日には、が、附属大学病院においてCOVID-19以外の理由で受診したで病院を受診した患者について、独自に開発した--2の抗体検査法で調査を行なったことが報道されました [8]。 この検査では、被験者312人のうちのおよそ 1%に当たる3人が抗体陽性とされました。 研究グループはこの3人は、--2に感染した経験がある可能性が高く、地域の感染状況を反映していると考えられるとしています。 このほかにも国が、感染者が多い首都圏と感染者を出していないで抗体検査を実施しているようです。 抗体陽性率の意味 日本の検査による陽性患者数は全国で約1. 5万人で、人口の0. 陽性患者が最も多い東京都でも0. 東京の場合で言えば、検査で陽性となった人数の30倍から100倍の抗体陽性者数がいるという計算になります。 これらの結果を私たちはどう捉えたらいいのでしょうか。 ウェブ上やさまざまな論文で見られる国内外の専門家の言述を見ても、検査であぶり出された感染者数よりも実際の感染者数の方がはるかに多いという一致した見方はありますが、抗体検査の結果が実際の感染者数に相当するかということについては、慎重な意見が多いようです。 専門家の間で最も指摘されている問題としては、 サンプリングのバイアス(偏り)と抗体キットの特異性です。 例として、上記したの抗体検査の結果について、この二つの問題点を指摘している米国のの意見 [9]を 図5に示します。 まずは サンプリングのバイアスです( 図5-注1)。 の検査ではで被験者を募集しているようですが、発熱とか咳があるとかすでに症状を有している人が集まりやすい可能性が指摘されています。 日本の抗体検査の場合であれば、そのいずれもが病院ベースのデータであり、病院に来た人という段階で、もはや市中を代表しているとは言えません。 そのほかの地域での検査の場合も、被験者となった人たちがその地位域全体を代表しているという保証はないという意見が多いです。 そして 検査キットの特異性の問題です( 図5-注2)。 世界で使われている検査キットは1種類ではなく、さまざまな市販キットや自作の検査試薬が使われています。 いくつか検査キットは特異性が公表されているものもありますが、米国の検査キットの場合、98. 1—99. 1—1. つまり、米国で使われた検査キットで言えば、--2の感染者でなくても、100人のうち最大2人は陽性として反応してしまう(これだけのが出る)という確率です。 抗体検査の信頼性に対する二つの疑問:サンプリングのバイアスと非特異的反応()の問題(文献[9]からの抜粋に注記). この1年間に風邪をひいたとするなら、に対する抗体が十分の維持されている可能性があります。 ひょっとして、これらのウイルスの抗体が、非特異的に--2の検査キットに反応するということはないのでしょうか。 --2については、感染した後に抗体ができるということがわかったのが、まだ最近のことです。 無症候感染でも抗体ができるのか、抗体が体内でどれくらいの期間維持されるのか、他のウイルスにも交差反応するのか、感染を防御する効果があるのかといった重要なことはほとんどわかっていません。 最大の関心ごとは、やはり抗体陽性の人は果たして--2に対する獲得免疫を有しているのかということです。 一般に に対する抗体は長期間維持されにくく、消失するとも言われています [11]。 ひょっとすると、--2に対する獲得免疫は期待できないかもしれません。 現状においては、抗体のある人が再び感染しないかどうかについては、誰にも分からないというところでしょう。 免疫パスポートなるものが提案されて、抗体検査陽性が社会復帰の証明書のように扱われている傾向もあります。 しかし、いまのところ、検査で抗体陽性となったとしても、再度感染をしないだけの免疫力があるという証拠は得られていません。 より慎重な姿勢が求められるというのが現時点でのもっともらしい考え方でしょうか。 おわりに 世界保健機構WHOは、--2の抗体検査について、検査の技術は十分に検証されていないし、情報が少ないという見方を示しています [12]。 さらに集団免疫からの抗体陽性の意味については、「多くの人がすでに免疫を獲得し、集団免疫が獲得されているのではないかという期待があるが、全般的な証拠からはそのような状態になく、解決策にはならないかもしれない」と述べています。 集団免疫で言えば、--2の場合、人口の6割以上の人が感染する必要があり、それから比べると上述した抗体陽性の割合はとても小さなものです。 かつ流行が収まってしまえば、それ以上免疫は広がりようがなく、これから起こるかもしれない第2波、第3波の流行の防波堤にはなりません。 集団免疫は非現実的な戦略でしょう。 正直なところ、抗体陽性の意味については、今後の研究に進展に待たざるを得ないというところです。 引用文献・記事 [1] Struck, H. et al. :Preliminary result and conclusions of the COVID-19 case cluster study Gangelt Municipality. University Hospital Bonn 2020. [2] Bendavid, E. et al. : COVID-19 Antibody Seroprevalence in Santa Clara County, California, medRxiv posted April 30, 2020. [3] New York: Coronavirus Survey Reveals 13. April 23, 2020. April 27, 2020. [5] 思、香取啓介、尾形聡彦: NY州の感染者、実際は10倍超? 抗体検査、暫定推計. DIGITAL. 2020. [6] : <新型コロナ>抗体検査5. 9%陽性 市中感染の可能性 都内の希望者2000人調査. 2020. [7] Doi, A. et al. : Seroprevalence of novel coronavirus disease COVID-19 in Kobe, Japan. medRxiv preprint posted May 1, 2020. doi: [8] NEWS WEB: 大学病院外来検査で1%抗体検出. 2020. [9] Pennings, P. [10] NIID : とは. [11] Callow, K. et al. The time course of the immune response to experimental coronavirus infection of man. Epidemiol. Infect. 105, 435—446 1990. [12] NEWS WEB: 新型コロナの抗体検査 「不明点多い」 WHO危機対応統括. 2020. www3.. html カテゴリー: rplroseus.

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