僕 は イエロー で ホワイト で ちょっと ブルー 感想。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』感想|杉本賢治|note

ブレイディみかこ 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

僕 は イエロー で ホワイト で ちょっと ブルー 感想

これ、今年一番の本ちゃうかな。 本屋では児童書かと思ってましたが(笑)。 2019年はがこれまで一番面白かったけど、あれは「立身出世もの」(Rags to Riches)的な面白さ。 「ぼくはイエロー」は「冒険、探求」(The Quest)的な面白さです。 いいライターさんに良いネタがあったら、こんな素晴らしい作品ができてしまったという。 ネタは誰かに与えられたものじゃなくて自分でつかみ取ったネタです。 誰もが手に入れられるネタじゃない。 英国での自らの子育てを書いてるだけなんだけど、子どもや家族との会話が深いし、子どもは多感な中学生やし、著者のフィルターを通してみる今の英国が新鮮です。 「川口マーン恵美」のドイツ本とか、「塩野七生」のイタリア本みたいに、その国の地べたの文化が伝わってきます。 読んでて「へ~」ってなる。 あの2人みたいな優れた比較文化論者になるかも。 著者は1965年生まれのブレイディみかこ。 もと音楽ライターでUK好きがこうじてイギリスに住み始めた。 旦那さんは元シティの金融マン。 リストラされて今は長距離トラックの運転手。 「むかしからやってみたかったんだ」ていう思い切りのいい人。 子どもさんは40歳前後と遅くに生まれて今は中学生。 現在進行形のUK子育て奮闘記。 子どもさんのノートへの端書にハッとして、それを本書のタイトルにしたそう。 新潮社の雑誌に連載(連載中)してたものが本書になったようです。 『反骨精神いっぱいの母ちゃんと、エスカレーターに乗って平穏なエリート中学に進むのを拒み、地元の混沌(こんとん)とした中学に入学したクールな息子の日々の闘いと成長を描いたイカしたノンフィクションだ。 高校卒業後、セックス・ピストルズに憧れ渡英した母ちゃんは、アイルランド人男性と出会い、結婚、英国南部のブライトンで保育士をしながら、英国社会を真っすぐなまなざしでみつめ、勢いのある文章でその状況をブログに書き続けてきた。 人種差別、アイデンティティー、ジェンダー、経済格差などの問題に毎日のようにぶつかる息子は、母とともに生きていくうえで何が大切なのかを模索してゆく』 以下に何点か読書メモを。 イギリスの中学には「ドラマ」という教科がある 英国の中学校教育には「ドラマ(演劇)」というれっきとした教科がある。 日常的な生活の中で言葉を使った自己表現能力、創造性、コミュニケーション能力を高めるための教科。 著者はイギリスで保育士としても働いていたが、英国教育における演劇重視のスタンスは保育施設における幼児教育にも反映されていた。 4歳の就学時までに到達すべき発育目標の1つに「言葉を使って役柄や経験を再現できるようになる」というゴールを掲げていた。 壁に様々な表情をしてる人のポスターを貼り、「これはどんな顔?」と繰り返し質問し、「みんなもこの顔できる?」と同じ表情をさせる。 「みんなはどういうときにこんな顔をしたい気分になる?」と話しを展開して、「気持ち」と「それを表現すること」、「それを伝えること」はリンクしてると教え、自分の感情を正しく他者に伝えられるように訓練する。 著者が務めていた託児所は失業率と貧困率が非常に高い地域の慈善施設の中にあって、問題を抱えた家庭の子どもが多かった。 彼らは表情に乏しく、うまく感情を伝えられないことが多かった。 他人に自分の感情を伝えられない子どもは、他人の感情を読み取ることができない。 他者がつらそうな顔をしていても、それが「ストップ」のサインなのだとわからない、 問題行動が見られる子供は、こうしたコミュニケーションの面で発育が不十分な場合が多い。 だから「底辺託児所」では演劇的な要素を取り入れたゲームや遊びに力を入れていた。 イギリスの階級社会 子どもが市の中学対抗水泳大会の代表に出た時の話。 運動は得意ではないが水泳だけは得意だった。 8年間市の水泳教室に通った。 見に行くとプールのあちら側とこちら側の人数がちがう。 こちらは「缶詰のイワシ」のように人がすずなり。 向こう側はスぺースが有り余ってるので、優雅に準備体操してる。 向こう側はポッシュ校(私立校)で、こっちは公立校。 プールサイドの生徒数の差が激しいからどうにかすればいいのに、といってるのは著者ぐらいなもの。 レーンは6つ。 9校参加で公立校と私立校は一緒に泳がない。 公立の6校が出て泳いで、次は私立の3校が出て泳いで。 公立校のレースは1位になる学校はほぼ同じ。 地域の中学校ランキング1位を走ってる公立カトリック校。 またはランキング2位の高級住宅地にある中学校。 6人の代表がスタート台に上がると、カトリック校と裕福地域にある公立校の選手は見ただけでわかった。 競技用の水着を着てるからだ。 底辺校の代表選手は夏休みにビーチに行くときに着るやつ。 私立校はほぼ全員がプロフェッショナル。 一緒に泳ぐとまったくレベルが違って競争にならない。 英国はプールのない公立校がけっこうある。 学校では水泳はさわりしか教えてない。 どれくらい泳げるかは学校の外の訓練にかかっている。 経済的余裕のある親の子どもが習い事で身につける。 親の所得の格差が子どものスポーツ能力格差になってしまっている。 一緒に泳がないといっても、メダルだけはタイムで評価してもらうことになる。 ほぼ私立校の選手がメダルを独占する。 底辺校はかすらない。 著者の息子さんは3位になって銅メダルをもらった。 校長が喜んで校長室に飾ったそう。 イギリス10代の非行について ロンドンでは10代のナイフ犯罪が急増して大きな社会問題になっている。 それは首都限定ではなく地方の街にも拡大してる。 海岸沿いにヒップなクラブが立ち並び、週末になるとロンドンから多くの若者が遊びに来るブライトンは、ドラッグ需要の大きい街。 ドラッグビジネス絡みのティーン・ギャングの抗争が日常的に起こるようになっている。 ギャングがドラッグ運び屋に使おうとするのが、公営住宅地の貧しいローティーンの子どもだたち。 「これを持って行ってこの人に渡してくれたらブランドのスニーカー買ってあげる」とか「運んでくれるだけで50ポンドあげるから」とか言われてやってるうちに、子どもたちもいつしかギャングの一員になってドラッグ商売にはまりこむ。 女の子たちはドラッグを運んでるうちに性的暴行を受けたり、売春組織に売られるケースもある。 「運び屋だけは絶対やるな、ナイキのエアマックスと自分の命とどっちが大事か考えろって兄ちゃんに言わられてる」と息子の友人のティムはうちにきたとき言っていた。 海岸通りの洒落たクラブでドラッグを消費してるミドルクラスの若者たちは、公営住宅地の子どもたちがどんな危険と背中合わせでそれを調達しているのか知らない。 デモ参加できるのは私立校だけ 地球温暖化の学生デモ。 BBCによると英国60か所で1万5千人が参加。 息子の学校はデモに行くのを許さない。 私立校はだいたい許してる。 「デモに参加したかったら参加していいよ」といったが息子はデモに参加しなかった。 「なんで?」 「だってカウンシルから父ちゃんと母ちゃんが罰金くらうでしょ」 英国では認められない理由で子どもが欠席すると親が地方自治体に罰金を払わないといけない。 父母それぞれに60ポンドずつ請求される。 21日以内にこれを支払わないと120ポンドに上がり支払いを放置すると、2500ポンドまで罰金が跳ね上がって、3か月の禁固刑になる。 これはピークシーズンに旅行料金が高額になるので、学期中に子どもを休ませることを親に思いとどまらせるために作られた罰則。 自治体の公式サイトには以下が明記されてる。 以下の理由で子どもが学校を休むと罰金が科せられます。 ・学期中に子どもを休暇旅行に連れていく。 ・子どもの意思で学校に行かない。 これは「ずる休み」と呼ばれます。 ・6週間のうち6回以上出欠を取った後で子どもが学校にくる。 ・あなたの子どもが1学期に3日以上欠席する。 この制度で苦しむのは貧乏な親だ。 だから裕福でない家庭の子どもたちは、いつもそのことを心配してる。 「自分の意思でデモに行ったら「ずる休み」とみなされて、親が罰金を払わされるってみんな言ってた。 だからデモに行くのを我慢した子がたくさんいる。 僕だけじゃないよ」と息子はいた。 今日は学校で何習ったの? 「女性器を見たよ。 大きな写真」「今日はFGM(女性器切除)について習った」 FGMはアフリカや中東、アジアの一部の国で行われている慣習で、女性器の一部を切除、または切開する行為で「女性割礼」とも呼ばれている。 幼児期から15歳までの少女に施術されるケースが多く、出血や感染症のため死に至ることもある。 少女たちの将来にも悪影響を与える危険な施術なので、英国内では80年代から違法になっており、残酷な児童虐待として厳しく禁止されているが、FGMが慣習になっている一部の移民コミュニティでは密かに未だ行われている。 「人権の侵害だから、FGMを受けさせられた人や、受けさせられそうな人を知っていたら先生に報告しなきゃいけないって言われた」 「でもあんたの学校はほとんどみんな英国人だから、報告とかあまり関係なさそう」 「それが最近アフリカの移民の転入生がクラスに入ってきた。 FGMのビデオはドキュメンタリーなんだけど、黒人の女の人たちが出てきて経験を語るんだ。 その女性の一人が転入生のお母さんによく似てて」 「それから女子の何人かが、転入生の子が夏休みにFGMを受けさせられるんじゃないかと言い始めて」 心配と偏見は紙一重。 授業でFGMを教えれば、全国の中学でこうした問題が起きることは十分に予想できる。 それでも英国はそれを教える。 この国の教育はあえて波風を立ててでも、少数の少女たちを保護することを選ぶ。 イギリスの公立底辺校の現状 著者は学校のリサイクル活動を手伝った。 そのとき学校の古参教員から聞いた話です。 「30年以上中学の教師をやってるけど、サッチャーの時代でも、こんなにひどくなかった」 「制服を買えない子が大勢いる。 これは英国の子ども総人口の3分の1になる。 「小さい子はお金がないっていえるけど、中学生になると一生懸命かくすようになる。 だからファスナーが閉まらなくなったスカートを毎日はいて来る子にお金をあげたり、そういうことを教員が自分でやりはじめた。 だけどこれじゃ自分たちが破産しそうだって、リサイクルを始めた」 「本当は制服だけじゃ足りないのよ。 女性教員の中には生理用品を大量に買って配ってる人もいる。 私服を持ってないから、私服参加の学校行事に参加できなくて休む子がいて。 スーパーでシャツとジーンズを買ってあげたこともあった」 「うちのような学校は低所得層の子どもが多いから、政府から補助金が出る。 今の校長は学校のレベルを上げることに熱心だから、それを教育にたくさん使っている。 うちの学校が演劇や音楽やダンスに力を入れらるのも、その補助金があるおかげ。 でもそれだけじゃ足りない。 もう授業やクラブ活動のためだけに、学校予算を使える時代じゃない。 貧困地区にある学校は、子どもたちの生活、基本的な衣食住から面倒をみないといけない」 「生徒が亡くなったとき、そこの家は葬儀代がなくて、親も近所に借りようとしたけど、みんな似たような境遇でお金がなかった。 だから学校から葬儀費用を出したの」 「緊縮が始まってからずっとそう。 教員をやってる友人はみんな似たようなことを言ってる。 保守党の教育予算削減で私たちの賃金は凍結されてるのに、こっちが使うお金は増える一方だって」 「昨日の夕食は食パン一枚だったって話してる子の話を聞いたらどうする?朝からお腹がぐうぐう鳴ってたらどうする?昼食を買うお金がなくてランチタイムになったら校庭の隅に座ってる子の存在気づいたらどうする?公営住宅地の中学に勤める教員たちは、週に最低でも10ポンドはそういう子たちに何か食べさせるために使ってると思う」 「学校全体の学力を上げて公立校ランキングの順位を上げたりするのも大事なことだけど、勉強やクラブ活動どころじゃない子たちもいるの。 まさに聖職者です。 神戸のいじめ教師に読ませたい… 世界は貧困にどう立ち向かっていくのか?本書にも万引きが原因でいじめられてる友達の話が書かれてました。 ランチ代が払えない。 だから学食でサンドイッチを、どうしてもお腹がすいた時に万引きする。 それをクラスメイトが悪だと言って罰する。

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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

僕 は イエロー で ホワイト で ちょっと ブルー 感想

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ブレイディみかこさんの、 『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、 2019年の本屋大賞の、 ノンフィクション本で大賞受賞し、話題の本になっています。 その内容や、著書の感想から、 イギリス社会制度を考察して行きます。 イギリスの社会制度。 イギリス在住20年以上のブレイディみかこさん。 この本は、イギリス在住の、 ブレイディみかこさんの息子さんが、イギリスの中学に進学を迎える中で、 彼が イギリスの社会制度や、階級社会、格差社会の矛盾や、制度に戸惑いを感じながらも、中学校生活を過ごす、1年半の姿を描いています。 そこには、日本と違う、イギリスの社会制度や、階級社会の問題が、根底にあるようなのです。 イギリスには、どんな社会制度や、階級社会があるかを知ることで、改めて、日本の良さを再認識させられる作品になのです。 著者ブレイディみかこさん。 イギリスの南端のブライトンに住む。 著者、ブレイディみかこさんは、1965年(昭和40年)福岡生まれです。 高校卒業後は、アルバイトと渡英を繰り返し、1996年(平成8年)から、 イギリスの南端のブライトン に在住して、20年以上暮らしていると言います。 ロンドンの日系企業で数年勤務した後、イギリスで保育士の資格を取得し、 彼女が言う「底辺託児所」の保育施設で、働きながらライター活動をしています。 2019年に 『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を刊行すると、たちまち話題の本となったのです。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の内容。 ブレイディみかこさんのご家族は、 アイルランド人の夫と、息子さんが一人います。 配偶者の夫は、ロンドンの金融街シティにある、銀行に勤めていましたが、 数年後にリストラに遭うと、子供の頃から、やりたいと思っていた、大型ダンプの運転手に転職したのです。 主人公の息子さんは、 日本人の母と、アイルランド人の父の間に生まれたことで、 自分の アイデンティティが、日本なのか、それとも、イギリスなのかに悩みながら、思春期を迎えていたのです。 国語ノートの落書き。 「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ある朝、ブレイディみかこさんは、息子さんの部屋にある、机の上の国語のノートに目が留まりました。 それは、先生からの赤ペンで添削が入っていて、 「ブルー」という単語はどんな感情を意味するのか、と言う質問で、息子さんは間違った答えを書いてしまったのでした。 「「怒り」と書いたら、赤ペンで思いっ切り直されちゃった。 」と、夕食時に息子さんが口にしたのを思い出したのです。 そして ノートに書かれた、落書きが目に入ったのです。 青い色のペンで、ノートの端に、小さく体をすぼめて、息を潜めているような筆跡で、 「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」と記されていたのです。 息子さんに何があったのでしょう。 この 「ちょっとブルー」 が、心に刺さり過ぎます。 でも、子供は意外にたくましいのです。 彼の取り巻く世界の中で、どこで、どう折り合いを付けて行けば、 居心地よく生活できるかの術を、息子さんは、身に着けてゆくことになるのです。 「ゆりかごから墓場まで」 イギリスの社会制度。 イギリスの社会制度を象徴する言葉として 「ゆりかごから墓場まで」と言う言葉があります。 これは、 福祉大国イギリスを表わして言葉で、ナチスドイツとの激戦から、イギリスを勝利に導いた、 ウィンストン・チャーチル首相 が残した言葉で、第二次世界大戦後の、社会福祉を充実させるための、スローガンだったようです。 この社会制度は、 イギリス国民や、居住する外国人に対し、原則無償で医療を提供するシステム「国民保健サービス NHS 」と呼ばれ、70年以上にわたる制度なのです。 そして、この制度を維持する財源は、ほぼ租税で賄っていると言うのです。 この「国民保健サービス NHS 」は、1948年に創設されて、2017年現在で、 国家予算の20%が使われているようです。 福祉国家と言うと、今では北欧3ヵ国が有名ですが、その発祥は、イギリスだったのです。 手厚い保障制度。 国家予算の20%が福祉制度に使われている。 そして、その保障制度がとても手厚いのです。 原則無償で医療が受けられるに始まり、出産が無料、妊娠から産後1年は歯科治療が無料、 子供の歯科治療が18歳まで無料、等々があって、至れり尽くせりのようなんです。 そして、その手厚い福祉の裏には、重い税負担があることを、忘れてはならないのです。 国が助けるのは当たり前の風潮。 社会保障の充実の裏返し。 こんな事からか、国が助けて呉れるのが当たり前、と言う風潮があるようなんです。 社会保障で暮らすのが、当たり前になっている社会構造が一部にあって、 両親、祖父母、叔父、叔母など親戚の中で、誰も就職を経験したことが無い、と言う話があるようなんです。 こんな話は、日本では聞いたことがありません。 給食費補助制度 「お昼時間は、ずっとお腹が空いていた」 イギリスの学校には、 給食費補助制度があって、1日320円、1ヵ月6,400円が限度の補助がありますが、 これを超えてしまった子供たちの中には、昼食が食べられなくなる子供がいるようです。 なので、 「今日は、どんな昼休みだった?」との回答に、 「ずっと、お腹が空いていたんだ。 」の、答えが返って来ると言います。 そのため、教師たちが昼食代を工面したり、バス代を支援する先生までいるようなんです。 お金が無いことで、得られる筈のチャンスが奪われてしまうのです。 学校ランキングの弊害。 ランキング上位校周辺の土地価格が上昇。 こうした格差は、住むところに現れていて、 学校ランキングで上位になるに連れて、そうした学校の地区の住宅価格は上昇し、 富者と貧者の棲み分けが、進んで行っているようです。 そして、そのことが、近年では「ソーシャル・アパルトヘイト」と、呼ばれる社会問題になっているようなんです。 ブレイディみかこさんのお宅は、荒れている地域と呼ばれている、近所の学校ランキングでも、底辺あたりを彷徨っている、元公営住宅地に住んでいます。 この現状が正に、棲み分けの象徴のように描かれています。 イギリスの抱えている現実が、子供たちの世界にも、大きく影響していることを、教えて呉れた一冊でした。 【おすすめ】 最近の投稿• 2020年6月24日• 2020年6月13日• 2020年6月8日• 2020年6月6日• 2020年6月6日• 2020年6月1日• 2020年5月27日• 2020年5月26日• 2020年5月25日• 2020年5月24日• 2020年5月23日• 2020年5月22日• 2020年5月21日• 2020年5月20日• 2020年5月18日• 2020年5月17日• 2020年5月16日• 2020年5月14日• 2020年5月14日• 2020年5月11日 アーカイブ• 74 カテゴリー• 15 プロフィール.

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ブレイディみかこ 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

僕 は イエロー で ホワイト で ちょっと ブルー 感想

楽天で購入 「 ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」は、 毎日出版文化賞・特別賞を受賞したほか、9つもの賞を受賞。 イギリスの港町・ブライトン。 日本人のライター・ブレイディみかこ先生とアイルランド人の夫の間に生まれ、厳格なカトリックの小学校で児童会長をしていた息子。 彼が選んだ中学校は、市の学校ランキングで少し前まで最下位だった中学校。 しかし今は音楽やダンスなど、子どもたちがやりたいことを自由にできる方針に切り替えて、成績が上がり始めました。 人種も貧富もごちゃまぜの中学校。 ただでさえ難しい年頃なのに、毎日が事件の連続。 人種で悩んだり、貧困問題でぎすぎすしたり。 そんな時、 息子のノートの片隅に「 I'm yellow,white,and blue・・・a little bit」 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー と書かれているのを見て、ブレイディみかこ先生は、息子に何があったのかを気にしていたようです。 この息子の走り書きがそのままタイトルになった ノンフィクション本。 僕はそこまで自分を東洋人とは思ってない 【毎日出版文化賞、ノンフィクション本大賞、ブクログ大賞、中高生におすすめする司書のイチオシ本、キノベス!など9つの賞を受賞】 書店員、学校司書、読者、識者のNo. 多分僕はそこまで自分を東洋人とは思ってないっていうか、ピンと来ない。 僕はどこかに属している気持ちになれない 著者のブレイディみかこ先生がイギリスから緊急来校! 超話題のノンフィクション「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」について解説してくれました。 夏休み明けに驚いたこと 【「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」に学ぶ、「エンパシー」と多様性】 昨年度の「Yahoo! ニュース 本屋大賞2019 ノンフィクション本大賞」など、.. — tenki. jp tenkijp イギリスの中学校に通っているブレイディみかこ先生の息子さん。 夏休みが終わった後登校し、友達に「 どんな夏休みだった?」と聞くと、友達は、「 ずっとお腹が空いていた」と答えたんだそう。 イギリスでは、子どもの総人口の3分の1が貧困家庭だというデータがあるようです。 中学校に入学したブレイディ先生の息子。 彼はそこで初めて貧困問題を目の当たりにしたということです。 イギリスの公立校 フリーミール制度 「フリーミールどれくらい残ってる?」と話している同級生。 息子さんは、フリーミールって何?と質問。 イギリスの公立校には、フリーミール制度があるんだそう。 フリーミール制度:失業保険や生活保護を受ける貧しい家庭の子どもは食べ物が無料 学食で好きな食べ物や飲み物を無料で受け取ることができるというもの。 しかし、フリーミールには限度額があり、1日およそ320円。 (1ヶ月約6400円) ピザが2ピースでほぼ終わり。 水を買うとオーバー。 育ち盛りの中学生はすぐ使い切ってしまい、その後昼食を食べられず我慢する生徒もいるんだそう。 貧困家庭の子どもが多い学校では、生徒の衣食住まで面倒を見ているケースもあるということです。 家族全員分の食糧を先生が自腹で買ってあげたり、バス代がなく通学できなくなった生徒に、自分の給料から定期代を出してあげた先生もいたといいます。 ブレイディ先生はこの本の中で、 貧困地域にある中学校の教員は、いまやこんな仕事までしているのだ。 この国は教育者をソーシャルワーカー(社会福祉士)にしてしまった。 ブレイディ先生 貧しい生徒を支援するボランティアに参加 ブレイディ先生は、貧しい生徒を支援するボランティアに参加しました。 ・中古の制服を100円で売るボランティア 背が伸びても買い換えられず、サイズが合わない制服を着ている子や、制服が1着しかないため、洗濯が間に合わずビショビショの制服を着ている子も中にはいるんだそう。 制服のリサイクルは、着なくなった中古の制服を回収し修復。 バザーの日に50円~100円で売るのです。 ある日、息子さんが、「 母ちゃんが縫った制服、僕も買える?」と一言。 「あなたは2着ずつ持ってるでしょ?」と話したところ、「 友達にあげたいんだけど」という答えが返ってきました。 お兄さんのお古を着ている同級生。 丈が長すぎて陰でバカにされていたんだそう。 それをみた息子さんは、貧しい友達に制服を渡したいと考えたようです。 あの子にもプライドがあるから普通にあげるわけにはいかない。 どうしたらプライドを傷つけずに渡せるのか考え抜いた末、友達を自宅に呼び、帰りがけに、 「 これ、母ちゃんが縫った制服。 ちょうど僕らのサイズがあったからくすねちゃったんだけど・・・いる?」と一言。 同級生からは、「でもどうして僕にくれるの?」と返答があり、「 友達だから。 君は僕の友達だからだよ」と制服を渡したということです。 少年は嬉しさのあまり、涙しながら帰宅していたんだそう。 イギリスにはこのような貧困問題があるんですね。 中古の制服を渡す、ということで、友達のプライドを傷つけずにできるよう考えた息子さん。 同級生とも友達として仲良く学生生活を送っているようです。 傷つけずに、と考えての行動。 とても優しいですね。 イギリスの小学校では教科書を使わない! イギリスの小学校では、日本では当たり前のように使われている 教科書を使わないということです。 小学校には教科書がなく、先生が配るプリントを中心に授業を行っているんだそう。 日本のように国が定めた教科書がないので、学校の先生の力量で子どもの学力に差が出ると言われる、ということです。 ブレイディみかこ先生のお子さんが通っている中学校。 イギリスは移民が多い 少年が目にした差別 イギリスは移民が日本より多いということです。 そのため問題が起こることもあるんだそう。 ブレイディみかこ先生のお子さん。 ある日、怒った様子で帰宅してきたことがあったということです。 「 学校で差別的な発言をする子がいたんだ。 絶対許せない」と息子さん。 息子さん自身が差別されたわけではないですが、同級生の気持を考えた上での言葉です。 母、ブレイディみかこ先生は、「 その子はきっと無知なんだよ。 誰かが言っていることを聞いて真似してるだけ。 知るときがくればその人は無知じゃなくなる」と話したということです。 本の中ではこう記されています。 その後も差別発言をやめない同級生は、いつしか他の同級生たちから無視されることに。 周りから無視され、いじめられるようになってしまったのです。 実は、彼をいじめていたのは、彼が差別発言をしていた子ではありません。 直接関係のない子たちでした。 すると、また息子さんが、母ちゃん聞いてよ!と帰宅。 「 ひどいことを言われた子たちがいじめてるんじゃなくて、何も言われたことのない関係のない子たちがいじめてるんだ。 それが1番気持ち悪い!」と息子さん。 ブレイディみかこ先生は、「人間って寄ってたかって人をいじめるのが好きだからね」と答えたところ、息子さんは、驚きの発言をしました。 「 人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。 罰するのが好きなんだ」と息子さん。 正義を振りかざして他人を攻撃することへの反発を感じていたのです。 ブレイディ先生が知らない間に息子は成長していました。 先生も、息子さんから教えられることが多々あるんだそう。 「 子供の方が柔軟じゃないですか、考え方が。 だから新鮮です」とブレイディ先生。 息子さんからの話を聞き、相手の子を責めるわけではなく、中立で柔軟な答えを返しているブレイディ先生。 先生の息子さんへの接し方も素晴らしいと思うのですが、息子さんの言葉で考えさせられることが多いですね。 いじめは大人の社会でも起こっていて、子どもだけの問題ではありません。 日本に行くと外人 イギリスでは日本人 息子さんは、 日本に行くと外人と言われ、イギリスでは日本人と言われ、自分にはアイデンティティーがない、と悩んでいたということです。 しかし、一昨年のサッカーワールドカップでは日本を応援していたんだそう。 でも日本が負けたらイングランドを応援したり、複数のアイデンティティーを楽しんでいるところもある、とブレイディ先生。 柔軟性があり、日々成長している息子さん。 素晴らしいですね。 イギリスの保育園で大人気!多様性を学べる絵本 楽天で購入 イギリスの保育園では、多様性を学べる絵本が大人気だということです。 ・タンタンタンゴはパパふたり 子どもたちにとても人気の絵本。 動物園で恋に落ちた2羽のオスペンギンのお話で実話。 いつも仲良くいっしょにいる2羽。 彼らは、他のペンギンたちが卵を産み温めるのを見て、卵に似た石を拾って温め始めたということです。 そこで、飼育員はひらめきました。 石のかわりに他の親が放置した本物の卵をこっそり置いてみることに。 すると、交代で卵を温め続け、赤ちゃんのタンゴが誕生! パパになった、というお話。 イギリスでは15年にわたるベストセラー。 多様性を学べる絵本としても最適ですね。 いろんな家族がいる、という多様性を学べることもあり、イギリスの多くの保育園に置いてあるということです。 イギリスの中学教育 演劇という教科がある! イギリスの中学教育では、 演劇、という教科があるんだそう。 言葉を使った自己表現能力、創造性、コミュニケーションを高めるための教科。 ブレイディ先生の家庭には、入学前に中学校から手紙が届いたということです。 そこには、 入学翌日にオーディションを行うから準備をしておくように、と書かれていました。 新入生だけのミュージカルを上演するのが毎年の恒例行事なんだそう。 新入生の団結力、協調性を高めるために行われているそうです。 シチズンシップ教育 他にもイギリスの教育の特徴として、 シチズンシップ教育(市民教育)というものがあります。 シチズンシップ教育とは、ボランティアや職業体験などを通じて社会との関わり方を学ぶ教育。 イギリスの中学校に通った経験を持つハリー杉山さんは、 「 シチズンシップ教育というのは、人生の生き様や自分がたどるべき道っていうのをちょっとしたヒントを与えてくれるんですよね。 ぼくはナイトシェルターというコミュニティーサービスをやっていたんです。 ナイトシェルターというのはホームレスの方々に食事を提供し会話する。 苦しんでる人と会うってなかなかないじゃないですか。 子どもの時って。 社会を何とか改善させようと教えてくれる科目なので、人を変える力もあるし、いずれ自分が父親になったら絶対子供たちに受けさせたいと思っています」と話していました。 ブレイディ先生の息子 エンパシーを教わる ブレイディ先生の息子さん。 シチズンシップ教育で最初に教わったのは、 エンパシー、いわゆる感情移入。 相手の気持ちになって考えることが重要、と教わります。 これはイギリスのことわざなんだそう。 本当に他人の靴を履くのではなく、例えば男性が女性のハイヒールを履いたら、足の痛みや歩きづらさがわかる、という感じで、自分とは違う立場の人の人の気持や考えを想像してみる、ということ。 イギリスではボランティア活動がさかん。 シティズンシップ教育が役立っているようです。 イギリスはホームレスが約32万人 2019年度の調査によると、 日本はホームレスは4555人。 それに対し、 イギリスでは約32万人といわれています。 日本の70倍もいるんです。 冬の寒い日、ブレイディ先生の息子さんは大人に混じり、ボランティアであたたかい紅茶をホームレスの方に提供しました。 イギリスの人口は日本の半分にもかかわらず、ホームレスの数は日本の70倍。 帰宅後の感想を聞くと、「最初は少し怖かった。 でも、なんか僕かわいがられてこんなのくれた人もいたよ」と、キャンディの包み紙を見せてくれたんだそう。 ホームレスの人から物をもらっちゃっていいのかな?普通逆じゃない?ってちょっと思ったけど、でも母ちゃん、これって善意だよね?と、嬉しそうに笑っている息子を見たとき、ブレイディ先生が思い出したのはエンパシーという言葉でした。 自分と違う立場の人がどんな気持ちなのかを想像することがいかに大事なことなのか。 日本の授業では、先生が要点を解説し、生徒は板所を書き写すのが一般的。 イギリスの授業では、生徒が主体的に参加することを重視しています。 中には、中学生から専門的な職業体験を実施しているカリキュラムも。 ブレイディ先生の息子さん。 入学当初は、ノートの端っこに「 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」と書いていました。 この言葉が心に引っかかっていたブレイディ先生は、日本の雑誌に連載する息子の成長記のタイトルを、彼が走り書きした、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という言葉に決めたのです。 1年半が経った頃、 「 母ちゃん、僕が昔ノートに落書きした言葉をタイトルに使ってるじゃん。 あれ、今考えるとちょっと暗いよね。 あの頃はこれから新しい学校で何があるんだろうなって不安だったし、差別も経験してちょっと暗い気持ちになってたけど、今はそんなことないなぁ。 今はどっちかっていうとグリーンだね」と息子さん。 「 グリーンって未熟とか経験が足りないって意味もあるでしょ?僕は今そのカラーなんだと思う」と話したんだそう。 ブレイディ先生は、なんだか急に大人びて見えてきたということです。 先生はこの本の最後をこんな風に結んでいます。 人種が違う両親を持っているから、移民から生まれた子どもだから、時々ブルーになることもあるなんていうのは、きっと前時代的なコンセプトなのだ。 イエローでホワイトな子どもがブルーである必要なんかない。 色があるとすれば、それはまだ人間としてグリーン 未熟なティーンの色があるだけなのだ。 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン。 ・・・いまのところは。 きっとこの色は、これからも変わり続けるに違いない。 1年半までブルーと綴った息子さんも今年で13歳。 今は、政治と数学に興味があるそうです。 イギリスの学校生活。 全く知らなかったので驚きました。 日本は恵まれている部分もありますが、シチズンシップ教育など、人間として大切なものを学ぶ機会となり、見習うことで日本も大きく変わりそうな印象を受けました。 また、ブレイディ先生と息子さんの関係も素晴らしいですね。 感じたことを素直に話せる親子関係で、お母さんも中立の考え方。 息子さんの質問にも誠実に対応し、成長を見守っています。 「世界一受けたい授業」に著者・ブレイディみかこ先生が登場し、本について解説してくれましたが、とても素晴らしい本なのだろうな、と思いました。 大人も子どもも、どちらも必見の本だと思います。 まとめ 3月7日に放送された「世界一受けたい授業」、本屋大賞で話題になったノンフィクション本「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」の著者・プレイディみかこさんが授業を行ってくれました。 イギリスの港町・ブライトン。 日本人のライター・ブレイディみかこ先生とアイルランド人の夫の間に生まれ、厳格なカトリックの小学校で児童会長をしていた息子が中学校に進学し、 学生生活を綴った成長記です。 ただでさえ難しい年頃なのに、毎日が事件の連続。 そんな時、息子のノートの片隅に「 I'm yellow,white,and blue・・・a little bit」 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー と書かれているのを見て、ブレイディみかこ先生は、息子に何があったのかを気にして、本のタイトルを決めたんだそう。 フリーミール制度:失業保険や生活保護を受ける貧しい家庭の子どもは食べ物が無料 学食で好きな食べ物や飲み物を無料で受け取ることができるというもの。 しかし、フリーミールには限度額があり、1日およそ320円。 (1ヶ月約6400円) そのため、 夏休み中はずっとお腹が空いていた、という子どももいるようです。 日本のように国が定めた教科書がないので、 学校の先生の力量で子どもの学力に差が出ると言われる、ということです。 イギリスはボランティア活動がさかんで、相手の気持ちになって考えることが重要、と教わります。 1年半が経った頃、「 母ちゃん、僕が昔ノートに落書きした言葉をタイトルに使ってるじゃん。 あれ、今考えるとちょっと暗いよね。 あの頃はこれから新しい学校で何があるんだろうなって不安だったし、差別も経験してちょっと暗い気持ちになってたけど、今はそんなことないなぁ。 今はどっちかっていうとグリーンだね」と息子さん。 「 グリーンって未熟とか経験が足りないって意味もあるでしょ?僕は今そのカラーなんだと思う」と話したんだそう。 ブレイディ先生と息子さんの親子関係も素晴らしく、素直で優しい息子さんです。 柔軟性があり、思いやりがあり、強さも兼ね備えている様子。 話題のベストセラーということですが、大人も子どもも学ぶことが多い本だと感じました。

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