足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件。 厚木市の白骨化事件や足立区のウサギケージ監禁 わが子を殺す親たち

ノンフィクション作家・石井光太が迫る、虐待家庭の闇『「鬼畜」の家~わが子を殺す親たち~』|日刊サイゾー

足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件

石井 問題を抱えた子供たちを調査すると、背景に家庭での虐待経験があることが分かってきたんですね。 もちろん、以前から今で言うネグレクトや家庭内暴力はありましたが、メディアで盛んに取り上げられたことで顕在化しやすくなり、統計的にも虐待の相談件数が急増しました。 これが2000年以降の「虐待の時代」です。 リストカットや引きこもりといった社会的不適合の子供たちが内面に問題を抱えていること、虐待やネグレクトなどによって、脳の発達が遅れてしまうことや精神疾患を抱えやすくなるといったことが広く知られるようになり、いままで教育の領域だったものが医学の領域にシフトしました。 また、家庭の問題は「親を支援しないと解決につながらない」という視点がこの時代になってようやく出てきました。 実際に虐待家庭を取材すると、貧困家庭が多く、親がアルコール依存症などの問題を抱えているケースが多く見受けられます。 無論、貧困だから虐待をするという意味では決してありませんが、比較すれば貧困などが要因としてあるというのは統計に表れています。 どの家庭にだって似たようなトラブルが起きるものですが、貧困家庭では親自身の問題が経済的問題によってねじれにねじれてしまっているのです。 朋美はホステスをやっていた母が客との間につくった子で、母の再婚相手の家で腹違いの兄弟たちとともに育ちますが、中学のときに学校で深刻ないじめを受けて不登校になり、中卒で自らもホステスになった。 10代で店で知り合った客との間に子供をつくっていた朋美は、母に連れられて初めて行ったホストクラブで、同じく中卒でホストをしていた忍と出会い、ひと月後には同棲をはじめ、毎年のように子供を生み続けるんです。 朋美は専業主婦になり、忍はホストをやめて派遣会社に登録して運送の仕事をしていたんですが、当然大家族で暮らせるわけがない。 彼らの財源は生活保護。 生活保護を支給されるようになってから再就職しようとせず、第5子、第6子と出産していき、最終的には月40万を超える支給額を受けていました。 生活保護をもらって密室で暮らせるから、誰もストップをかける人がいないまま、次々と子供をつくっていった。

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足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件

いしい・こうた 1977年、東京生まれ。 国内外を舞台にしたノンフィクションを中心に、児童書、小説など、幅広く執筆活動を行う。 主な著書に『物乞う仏陀』『神の捨てた裸体』『絶対貧困』などのほか、児童書に『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。 』『幸せとまずしさの教室』、小説に『蛍の森』、責任編集『ノンフィクション新世紀』など。 鬼畜の所業。 5歳のわが子をアパートに放置し、7年後に発見された『厚木市幼児餓死白骨化事件』や、嬰児の遺体を天井裏や押し入れに隠した『下田市嬰児連続殺害事件』、そしてまだ記憶に新しい『足立区うさぎ用ケージ監禁虐待死事件』など、相次ぐ子どもの虐待死のニュースを聞くたびに、こう思った人は決して少なくないことでしょう。 ですが『「鬼畜」の家〜わが子を殺す親たち』(新潮社)の著者・石井光太さんはこんなふうに語ります。 「あの親たちは鬼畜ではないですね。 厚木市幼児餓死事件の理玖くんはエロ本をちぎって紙吹雪にして遊んでくれる父親のSが帰ってくるのを心待ちにしていましたし、うさぎ用ケージで殺された玲空斗くんの写真を見ると、実に楽しそうにしている。 殺された子は親を愛していたし、虐待した親もまた、子どもを愛していました。 2年以上(親として)やることはやったのに、なぜ、殺人と言われるのか!」と言い放つS容疑者の言葉に、呆然とします。 「電気もガスも水道も止められた真っ暗な中、部屋にたまった2トンものゴミに囲まれながら、S容疑者は息子と一緒に2年間も過ごしているんです。 彼はその状態を本心から虐待とは思っていない。 そんな常識からのズレは、かたちを変え、人物を変えて、本書の各事件に登場します。 ここにこそ、続発する児童虐待死事件の根底があるのだと、本書は強く言うのです。 では、こうした歪んだかたちでしかわが子を愛せない親たちは、いったいどうして生まれてしまったのでしょうか?

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ノンフィクション作家・石井光太が迫る、虐待家庭の闇『「鬼畜」の家~わが子を殺す親たち~』 (2016年8月18日)

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上の画像をクリックするとHONZのサイトへジャンプします 『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』。 この本のタイトルだけを見れば、自分には理解できない種類の人たちが、目を覆いたくなるような行為ばかり繰り広げる内容と思われるかもしれない。 だがその予想は、大きく裏切られることになるだろう。 本書で紹介される3つの事件は、実子への虐待、殺人、死体遺棄などで世間を賑わせたものばかりである。 厚木市幼児餓死白骨化事件、下田市嬰児連続殺害事件、そして足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件。 本書はこれらの事件の詳細を、丁寧に追いかけたルポルタージュである。 ネグレクト、DV、嬰児殺し。 この手の事件が起これば、その親たちは「鬼畜」と呼ばれ、その非道な行為は瞬く間に広まっていく。 だが、犯人たちは、いずれも法廷でこう述べた。 「愛していたけど、殺してしまいました」と。 それはある意味において真実であり、量刑を軽くするための言い逃れからくるだけの言葉ではなかった。 彼らは方法も感覚も大きく間違えていたが、心の底からそう思っていたフシも伺えるから話は複雑なのである。 それならば、なぜ彼らは虐待を続け、そして子供たちは命を奪われることになったのか。

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