逆 ソクラテス ネタバレ。 【ネタバレ無し・感想】伊坂幸太郎/短編小説「逆ソクラテス」大人にも子供にも読んでほしい一冊

小説『逆ソクラテス』書評感想

逆 ソクラテス ネタバレ

】 目次• 「逆ソクラテス」から得た教訓• 体罰は弱いものいじめにしかならない• 「可哀想に」と思っておけばいい• 「子ども」ではなく一人の「人間」として扱う はじめに 以前、同書の書評を書いたのですが、ネタバレしないようにしなきゃとか個人的な感想は書き過ぎないようにしなきゃという制約があって消化不良なので、心に浮かびゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくりたいと思います。 今回はあくまで感想。 久保先生の反撃/要約 私が最も印象的だったシーンは、3つ目に収録されていた「非オプティマス」で、久保先生が公開授業を中断して、「わざと周りの人に迷惑をかける誰かがいたら、どうやってやめさせたらいいのか」について語りだした場面だ。 ~ 導入~ これまでの久保先生には覇気がなく、生徒から舐められていた。 特に、生徒の騎士人(ないと)は父親が有名企業の要職についていることもあって、威張り散らしていた。 騎士人はクラスメートの一部と結託し、授業中にわざと缶ペンケースを落として授業を中断させるという嫌がらせを繰り返していた。 久保先生はまず、教室の秩序を守る手段として体罰について言及する。 暴力が良くないというのではない、暴力は通用しないことがある。 先生よりも生徒の方が力が強ければ、暴力は抑止力にはなり得ない。 暴力が通用するのは自分より、相手の方が弱い場合だけである。 生徒が先生よりもムキムキで力が強ければ暴力で服従させることはできない。 つまり、 「正義の鉄拳」なるものは存在し得ないのだ。 相手によって態度を変えるようなことは人として最悪だし、暴力で解決できることは思いのほか少ない。 次に、「人はほかの人との関係で生きている」と説き、人間関係にとって重要なのは「評判」だと語る。 評判は時に人を助け、時に邪魔をする。 わざと人に迷惑をかけるような奴は評判が悪くなり、いざという時に窮するだろう。 相手によって態度を変えるような奴も同じだ。 そういう奴らは他人を巻き込まないと快楽を得られない。 誰かが注意をしたって聞きはしないだろう。 「だから、君たちは心の中で、 可哀想に、と思っておけばいい。 」 久保先生の反撃/感想 内容うんぬんの前にまず、先生が子どもを諭すというシチュエーションがマリアビートルで「なぜ人を殺してはいけないのか」を説く鈴木を彷彿とさせ、伊坂ファンの私は大変心が躍った。 今回の議題も突き詰めれば「なぜルールを破ってはいけないのか」に通ずる部分もある。 そして、体罰について感情論を一切持ち出さずに、論じられている点が新鮮に感じられた。 体罰を悪とする理由が論理的に説明されており、それなりの説得力がある。 (体罰を撲滅する具体的な案を述べているわけではないので、曖昧な意見であることは否めない) 最後に、先生は「可哀想に」の言葉で長い演説を締めくくる。 暴力を行使しても、やめろと言葉で注意しても効果がない相手に対して、可哀想な奴らだと思うことで対抗する。 これは先生が生徒間の、いじめの仲裁に入るときにはもちろん通用しないだろう。 あくまでも、「被害者」である先生から「加害者」である生徒への最後の抵抗に過ぎない。 見方を変えれば、先生は指導者としてではなく、「対等な一人の人間」として あえて無視をする大人の対応を選んだとも取れる。 曖昧で釈然としない幕引きと感じる人もいるだろうが、「可哀想に」で事を済ませるのは現実的な対処法ではないだろうか。 実際にもめごとが起きたときに、相手に殴りかかる人は多くないはずだ。 一度は注意したとしても、繰り返される嫌がらせをわざわざ指摘するだろうか?おそらく、周囲からの評判を気にし、事を荒立てずに相手にしないことを選ぶという人の方が多いだろう。 (もちろん程度にもよるので、おとなしくしておくのが必ずしも良いとは思わないが) 主人公は先生の発言を意地悪と評しているが、子どもだからと侮らず、真摯に向き合った姿勢は称賛に値すると思う。 登場人物に癖のある人物が多い分、ストーリー自体はリアルに近いものだったように感じる。 おわりに 世の中を生き抜くうえで遭遇を避けられない「悪意」との接し方、距離感のようなものを考えるいい機会になったと感じます。 本作も楽しませていただきました。

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「逆ソクラテス」ネタバレあらすじと感想/伊坂幸太郎20周年作品(最高の読後感)

逆 ソクラテス ネタバレ

の小説なら、今まで何冊も読んできた。 それでも、の小説はいつも楽しみであり、何度も読み返すほど好きだ。 今日は、の最新刊「逆」について書いていこうと思う。 <もくじ>• キャッチコピーとカバーデザイン 旦那につきあって近所の本屋へ行った時のこと、旦那に「何か買う?」と聞かれ、「いや、今月分のお小遣い結構使っちゃったし、今日は我慢しようかな」という会話をしつつ、ぶらぶらと新刊をチェックしていた。 すると、の新刊「逆」が積んであるではないか。 今しがた「今月はもう我慢しよう」と心に決めたばかりなのに。 しかも、キャッチコピーがずるい。 表には 「敵は、先入観。 世界をひっくり返せ!史上、最高の読後感。 デビュー20年目の真っ向勝負!」。 裏には 「逆境にもめげず、簡単ではない現実に立ち向かい、非日常的な出来事に巻き込まれながらも、アンハッピーな展開を乗り越え、僕たちは逆転する!」 どれもツボである。 帯を読んだだけで期待が高まり、伊坂の軽快なストーリー展開に、手に汗握るシリアスな場面、伏線を華麗に回収しながら着地するラストを思い描き、既に鳥肌が立つ。 加えて、カバーデザインもずるい。 こちらも、ファンタな世界を描いたような色合いと絵でそのまま額に入れて飾ってもいいな、と思うくらいツボだった。 よく見るとそこに書かれている人物は全て小学生。 こんなの面白くない訳がない。 「今月は我慢しよう」という決意は、キャッチコピーとカバーデザインを前にして早々に崩壊したのである。 「答えのはっきりしないこと」に対するひとつの答え 読み終わって「やっぱり面白かった」と思った。 各ストーリーで先入観がひっくり返っていく様は爽快で、今まで経験した納得のできない物事や人にギャフンと言わせた気分だった。 現実の世界では、このように特定の悪者を倒して「一件落着、めでたしめでたし」ということはほとんどなく、割り切れないことや完全に解決できないことが多々ある。 3話目『非ス』に登場する久保先生の言うところの「答えのはっきりしないこと」である。 今作には「答えのはっきりしないこと」の事例が多く提示されている。 そして、物語の中でも現実の私たちと同じように、どのキャターもはっきりした答えは出せないでいる。 しかし、正解が出せないながらも、この小説ではひとつの成功例を生み出していて、読み終わったときには優しい気持ちになった。 現実世界の私たちは、この先も答えのはっきりしないモノたちと生きていくのだろうけれど、誰かを批判したり攻撃したりすることは最善ではないということはわかる。 その先には、もしかしたら、今作のような爽やかな結末もあるのかもしれないと思えた。 読みやすい一冊 今回の小説は、伊坂の小説の中でも特に読み進めやすい内容だと感じた。 まず、短編小説でこまめに話が完結し、とっつきやすいことも挙げられる。 更に、小学生の話が中心であるため、おそらく誰でも一度は経験があるであろうシチュエーションが数多く出てくるからだ。 私の旦那は小説が苦手だ。 参考書などの難しい本はたくさん読むのだが、どうやら物語を読むのが苦手らしい。 「絵が無いと無理」と言っていたから、おそらくイメージできないのだろう。 確かに自分が経験したことのないものを想像するのは難しい。 しかし、世紀末の世界でも宇宙の話でもなく、超人的な能力を持つ主人公が聞いたことのない技で戦うような場面もない。 誰もが経験した小学生時代がベースだ。 小説に馴染みのない人でも、読みやすいのではないだろうか。 「分厚い本は苦手」「の小説は読んだことがない」という方にもお勧めだし、子供の読書感想文の題材にしてもいいくらいだと思っている。 また、伊坂の短編は独立したストーリーに関わらす、一冊を通して登場人物やストーリーがゆるく交差する。 そのため、すべて読みえたときにつながる爽快感も醍醐味だ。 大人も子供も是非読んでみてほしい一冊である。

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楽天ブックス: 逆ソクラテス

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クリックできる目次• 逆ソクラテスの感想 小学生時代の出来事が5つの短編で描かれています。 今作のテーマは「先入観」だと、読んでいて感じました。 目に見えているものだけが真実ではなく、見えていない部分にこそ本質がある。 読んでいてそう感じることが多く、先入観や思い込みによる決めつけは怖いものなんだとあらためて感じさせられました。 1つ1つの作品は短いのですが5つすべてが独立した作品ではなく、明確に描かれてはいませんが繋がっている部分もあり、ただの短編集ではありません。 「ここがあの場面とつながっているんだ」と感じながら読むことができ、最後まで飽きずに一気読み。 伊坂さんの作品はいつも工夫が施されており、流石と感じさせられる部分です。 「僕はそう思わない」 作中のセリフですが、言えそうで言えない言葉。 僕も小学生時代にこのような考え方ができていたら、もっと自分に自信が持てたかもしれません。 5つの作品すべて小学生時代が描かれており、共感できる部分が多いと思います。 子どもや読書が苦手な方でもサクッと読める、おすすめの作品です。 逆ソクラテス• スロウではない• 非オプティマス• アンスポーツマンライク• 逆ワシントン 逆ソクラテス 「僕はそう思わない」と言える人がどれだけいるだろうか。 テスト中にカンニングをしようとする生徒たち。 そのカンニングはただのカンニングではなく、教師に対するあることへの挑戦だった。 スロウではない ある日、クラスに転校生がやってくる。 足が遅く、くじ引きで不運にもリレーの選手となった司。 司たちリレーのメンバーは、転校生の高城かれんに走り方を教えてもらい本番へと挑む。 非オプティマス 授業中に缶ペンケースを床に落とし、授業を妨害する騎士人(ないと)。 久保先生が注意をするが、新米で頼りないを絵にかいたような先生だったのでまるで効果なし。 そんな久保先生にはある秘密があった。 アンスポーツマンライク 小学校時代のミニバスケチーム仲良し5人組。 高校生になった歩たちは、当時のコーチ磯憲の見舞いに行くために久しぶりに集まっていた。 見舞いをすませ、久々にみんなでバスケをするために公園へと向かっていた時、歩たちは不審者の遭遇してしまう。 逆ワシントン 学校を休んでいる靖が、虐待されているのではないかと疑う健介と倫彦。 靖の状況を確認するため、クレーンゲームが得意な京樹に助けを求めゲームセンターへと向かう。 逆ソクラテスの口コミ さっき届いた伊坂幸太郎の『逆ソクラテス』読了しました。 今読んでも十分面白いけど、何年後か、何十年後に読んだらまた違う面白さを感じられそうだなという作品。 面白かった。 — 光速度不変の原理 notsomuchAasB 逆ソクラテス 伊坂幸太郎 短編集5話でした!ですが、同じ世界線なのか…?と思える描写もありました。 小学生目線の話でしたが、その分子どもの純粋な気持ちがよく伝わりました。 その後、成長した話もあってとても面白かったです! 途中に出てくるソクラテスの絵が可愛かったです!笑 是非! — 彩歌。

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