「心遣い」の正しい意味とは? 「心遣い」は相手の感情を思いやる 誰かのことを心配したり、おもいやったりする気持ちを「心遣い」という言葉で表すことができます。 「心遣い」という言葉は「心を遣わせる」と書き、自分の心を相手に従事させるという意味です。 特に、相手の「感情」「心情」に寄り添わせるという意味が強く「相手はきっとこういう気持ちだろう」と慮った上で、相手に言葉を掛けたり、相手のために行動を起こしたりすることを指しています。 もうひとつの意味は「お金」 「心遣い」にはもう一つの意味があり、それは「お金」です。 表だって「お金」という言葉を出すことが憚られる場面で「お心遣いをいただきありがとうございました」などと言えば「お金をいただきありがとうございました」と言っていることになります。 お金を渡す方は「ほんの心ばかりではございますが」などの言葉を使い、いずれも「お金」を「心」と言い換えて表現しているのです。 「心遣い」(お心遣い)の使い方 目上の方への感謝を表す 目上の方から配慮や支援をいただいたときに「ありがとうございました」だけでは、感謝の気持ちを表し切れないことがあります。 そんなときに「お心遣いをいただき、誠にありがとうございました」などとすると、相手の言動だけでなく自分をおもいやってくれたという気持ちにまでお礼を伝えることができるでしょう。 メールなどでは立場を問わず使える 相手が目上の方でなくても、改まった場での挨拶や文章内などでは「心遣い」という言葉を使うことがあります。 「お礼」「お詫び」というものは、相手との立場によらず、形式を守って伝えることがあるからです。 特に文章内では、言い方やニュアンスが伝わりにくく、口頭で話すときと同じ言葉を使うと、あらぬ誤解を招くことがあります。 部下など、自分よりも立場が弱い人に宛てる文章内でも「お心遣いに心より感謝いたしております」などとすると良いでしょう。 「心遣い」の色々な類語表現 「心遣い」と「気遣い」の違い 「心遣い」(お心遣い)と最も似ている言葉が「気遣い」(お気遣い)です。 どちらも相手を思っての言動を表します。 「気遣い」には「心配」「懸念」という要素が多く、「心遣い」には「思いやり」「応援」という要素が多く含まれています。 また「心遣い」が、間接的なニュアンスであることに対して、「気遣い」にはやや直接的なニュアンスが含まれています。 たとえば、相手がケガで入院したときに、入院生活に必要な洗面道具や衣類を贈るのが「気遣い」、入院中に退屈だろうからと本を贈ったり、退院後の楽しいプランを提案したりすることが「心遣い」です。 「心尽くし」の意味と例文 「心尽くし」には「相手のために、心を込めてすること」という意味があります。 「すること」とあるように、具体的に形になるものを指します。 たとえば「心尽くしの料理」と言えば、相手においしく食べてもらいたい、喜んでもらいたいという心を尽くして作る料理のことです。 「このたびは、お心尽くしのお料理をいただき、誠にありがとうございました」などと使うことができます。 「ご温情」「ご恩情」の使い方 相手から受けた情けや深い思いやりのことを「ご温情」と言います。 「情」という言葉が入っているように、相手の「情」に対して感謝するときに使う言葉です。 ビジネスを離れた、個人間でのお付き合いがある相手に向けられます。 「ご恩情」という字を使うのは、主に恩師に向けられます。 相手が恩師ではなく、友人や知人などであれば「ご温情」が相応しいでしょう。 「お心入れ」は贈られたものを表す 相手からの「心遣い」や「気遣い」などによって、贈られたものに対して「お心入れ」は使われます。 「お心入れの贈り物をいただき、ありがとうございました」などとすれば、贈り物そのものを贈ってくれたことのお礼だけでなく、その物を贈ろうと思ってくれたその気持ちに対してもお礼を伝えることができます。 言い換えれば「気持ちのこもった物を贈ってくれてありがとうございます」ということです。 「心配り」は「心遣い」に近い表現 人の気持ちは形がなく、物質として配ることできません。 しかし、そこを敢えて「配る」と表現することで、相手の気持ちの一部を分けてもらったというニュアンスを出すことができます。 「心遣い」と非常に似た表現です。 「使う」という文字は、物理的に働かせることを表しますが、「心」は目に見えたり、手に取ったりできるものではなく、物理的に働かせることができません。 物理的に働かせることができない心に対しては、相手に遣えるという意味を持つ「遣い」が適しています。 「心遣い」(お心遣い)を使ったメール例文 「お心遣いを賜り」はさらなる感謝 「このたびは、お心遣いを賜り誠にありがとうございます」 「お心遣い」の後には「いただき」「くださり」が来ることが多いのですが、改まった場や相手へ格別の感謝を伝えたい場合には「賜り」を使うとさらに強い気持ちを表すことができます。 相手からのお心遣いがありがたく、申し訳ない気さえするという状態を表しています。 しかし「お心遣い」と「痛み入ります」の間には「いただき」または「くださり」など、「お心遣いをどうしたのか」ということがわかる表現が必要です。 「お心遣いいただき痛みいります」などとすると正しく伝えることができます。 相手からの心遣いがうれしかった、ということを伝える場合には「あなたの気持ちが温かかった」という意味を含めると、言葉にやわらかさを出すことができます。 まとめ 自分にとっては当たり前のことでも、相手から「お心遣いくださって」などと言われると、とてもうれしいものです。 そのうれしい気持ちが、また次の心遣いのきっかけになります。 言葉は使うだけでなく、相手の気持ちや言いたいことを正確に受け止めるためにも正しく理解しておきたいものですね。
次の「お心遣い」「お気遣い」の違い 「お心遣い」の意味 「心遣い」の意味は「気を配ること」「心配り」「配慮」です。 また、「ご祝儀」「心づけ」といった意味もあります。 相手が心を配ってくれたことを、丁寧に表現したものが「お心遣い」です。 相手の思いやりを感じた時に使用するのが良いでしょう。 「お気遣い」の意味 「気遣い」の意味は「あれこれ気をつかうこと」という意味です。 また、「よくないことが起こる恐れ、懸念」という意味も持ちます。 「お気遣い」では、前者の意味となり、相手が気をつかってくれたことに対する丁寧な表現ということです。 「お心遣い」「お気遣い」の例文 それでは、「お心遣い」「お気遣い」が実際に使われる際の例文をみていきましょう。 「お心遣い」の例文 「お心遣い」を実際に使う場合の例文を紹介します。 この度は弊社の移転に際しまして素敵な品をお送りいただき、 お心遣いに感謝申し上げます。 先日はあたたかな お心遣いをいただきまして、ありがとうございました。 「お気遣い」の例文 「お気遣い」の使い方の例を紹介します。 「お心遣い」よりは口頭で使う機会が多いかもしれません。 (どこかに招かれた際など)どうぞ、 お気遣いなく。 常日頃から お気遣いいただき、感謝申し上げます。 ビジネスシーンでの注意点と例文 「お心遣い」「お気遣い」はビジネスシーンでも使われることがありますが、場合によっては注意が必要です。 上司や目上の人にも使ってOK 「お心遣い」「お気遣い」は取引先や上司に対して使用しても大丈夫です。 「お心遣い」は普段以上の思いやりや心配りを受けた時、または贈答品や心付け、ご祝儀などの金品を貰った時に使用します。 「気遣い」は気を配ってもらった時、神経を使ってもらった時に使用する場合が多いです。 報告書などのビジネス文書ではNG 手紙やビジネスメールでは「心遣い」「気遣い」を使用できますが、注意すべきは報告書やレポートなどの場合です。 こういった実務的な文書の場合には、訓読みを使う「和語」は原則、不適切とされています。 したがって「こころづかい」「きづかい」という訓読みであるこれらの単語は使用しない方がよいでしょう。 もし同様の表現をしたい場合は、「配慮」という音読みの単語であれば使用できます。 ビジネスメールの例文 ここからは、ビジネスメールで使える例文を見ていきましょう。 例:お心遣いをいただきありがとうございます。 一番オーソドックスな表現です。 相手に特別な心配りをしてもらった時、お礼文として送ると好印象です。 例:お心遣いに痛み入ります。 上述のものより、さらに丁寧な表現になります。 「痛み入る」とは「申し訳ない・恐れ入る」などの意味です。 使用シーンとしては、相当な金品をいただいたり、とても目上の人に心を配ってもらった時などが想定されます。 かなり低姿勢な様子が伝わる表現です。 例:お気遣いくださいましてありがとうございます。 先方が気を配った対応をしてくれた時、神経を使ってもらったと感じた時に使用するものです。 一言添えるだけでも丁寧な印象を与えることができます。 「お心遣い」「お気遣い」に似た言葉 「お心遣い」「お気遣い」の意味と使い方を解説してきましたが、類似の言葉もいくつかあります。 「お心遣い」「お気遣い」がふさわしくないと感じた場合などに覚えておくと便利です。 「ご配慮」の意味 類似の表現に「ご配慮」があります。 こちらも「心遣い」「気遣い」と同様、「心を配ること」「気をつかうこと」という意味です。 訓読みの「心遣い」「気遣い」とは異なり、音読みの表現なのでビジネス文書でも使用することができます。 また、少しかたい表現になるのでビジネス文書でなくとも相手にかしこまった印象を与えたい時に使用すると効果的です。 逆に、「心遣い」「気遣い」を使うとやさしい印象になります。 ただし、使い分けで悩んだ際には「ご配慮」を使用するとよいでしょう。 「ご配慮」の例文 「ご配慮」の使い方を紹介します。 「ご配慮」は目上の人はもちろん、同じ立場の人にも使える汎用性の高い言葉です。 このたびはさまざまに ご配慮いただき、ありがとうございます。 格別の ご配慮を賜り、恐縮に存じます。 まとめ 「心遣い」「気遣い」は相手に感謝を伝える際に有効な表現です。 しかし場合によっては使用できないこともあります。 ビジネスシーンでは思いやりや感謝をしっかり伝える場面と、ビジネス文書などの実務的な場面を混同しないよう注意しましょう。
次のある物、事のために働かせる• 言いつけて用をさせる• 材料、手段として役立てる• 費やす• 技、術などをあやつる では何が違うかというと、 品詞や使われる範囲が異なります。 品詞 範囲 例 使う 動詞で使われることが多い 広い 道具を使う、金を使う、気を使う、心を使う 遣う 名詞(遣い)で使われることが多い 限定的(気、心) 気を遣う(気遣い)、心を遣う(心遣い) 使うの場合は、気を使うや心を使うなど、幅広く用いられます。 一方、 「遣う」は気や心など限定的なものが対象です。 ただし、名詞として用いる場合は「」「金遣い」「仮名遣い」など範囲が広くなります。 また、「気を使う」と「気を遣う」もどちらもありますが、気や心に限定される「遣」の方が相手のことを思ってすることというが強くなります。 お気遣い:相手が神経を使って何かをしたり、発言してくれること• お心遣い: 心からの思いやりで、相手が何かをしたり発言してくれること 「気遣い」は「あれこれ気を使うこと」という頭脳や神経を働かせるという意味があるので、神経を使って何かをするというニュアンスが強い言葉です。 一方、「心遣い」は「あれこれ気を配ること、心配り」です。 つまり、「心遣い」には 心から相手のことを思いやるという気持ちが「気遣い」にプラスされています。 しかし、心がこもっているというのは微妙なニュアンスなので、よくわからないですよね。 「お気遣い」でも心がこもっていないわけではないので、これだけで判断するのは難しいかもしれません。 その場合は、お気遣い以上の言動が伴うかどうかで判断してみましょう。 2-2.「お気遣い」+お気遣い以上の言動=「お心遣い」 には、 祝儀や心付け(感謝の印として渡す、少額のお金や物)という意味もあります。 そのため、お心遣いはお気遣いに比べて物を渡したり、相手の役に立つことをするなど言動を伴うことが多いです。 例えば、風邪をひいた時に「大丈夫?」と声をかけるのがお気遣いだとしたら、「具合が悪そう車で送るよ」という行動が伴うのがお心遣いです。 「結婚おめでとう」と声をかけられるのは「お気遣い」ですが、それにプラスしてご祝儀をいただいたのであればそれは「お心遣い」になります。 「お気遣い」が一般的な言動だとすれば、「お心遣い」はそれ以上の言動が伴うというニュアンスです。• 2-3.何かをもらったときには「お心遣いありがとうございます」 相手から何かをもらったときは「ありがとうございます」を使ったほうがいいです。 例えば旅行に行った上司からお土産をもらったとします。 上司が職場のみんなのことを気にかけてくれたのは「お気遣い」ですが、 さらにお土産という物を用意してくれたのは「お心遣い」です。 この場合、上司の心とお気遣い以上の言動(お土産を買ってきてくれた行動)の両方が入っていますね。 何かをもらったときは「お気遣い」よりも、「お心遣い」を使うのがふさわしいです。 3.「お気遣い」と「お心遣い」の使い分け方 「 お気遣い+心、お気遣い以上の言動=」ということを覚えておけば、「お気遣い」と「お心遣い」の使い分けができますね。 「お気遣い」も「お心遣い」も厳密に使い分ける必要はありませんが、細かい違いを知っておくと大人の対応ができるようになります。 ここでは、具体的にどんなシーンで「お気遣い」と「お心遣い」を使うのか、例文を使って解説します。• 3-1.「お気遣い」と「お心遣い」を使うシーン 「お気遣い」にお気遣い以上の言動が加わったものが「お心遣い」だとすると、例えば以下のようなシーンで使うことができます。 シーン例 お気遣い お心遣い 風邪をひいたとき 心配してくれた 心配してくれた+薬を買ってきてくれた 結婚したとき おめでとうと言ってくれた おめでとうと言ってくれた+ご祝儀をもらった 上司から怒られて凹んでいるときに 慰めてくれた 慰めてくれた+こうすればうまくいくというをくれた 昇進したとき おめでとうと声をかけてくれた おめでとうと声をかけてくれた+ご馳走してくれた 雨で足元が悪いとき 滑らないようにと注意してくれた 滑らないようにと注意してくれた+危ないので送ってくれた 「お気遣い」の方は気にかけてくれているものの、 具体的にこちらの解決策や得になるような言動は起こしていないところがポイントです。 では、今度は例文で「お気遣い」と「お心遣い」の使い方を見ていきます。 3-2.「お気遣い」の使い方 「お気遣い」と「お心遣い」はどちらも感謝の気持ちを述べるときに使うので、ほぼ同じ表現で使います。 <例文>• I really appreciate your concern. ( お気遣いに感謝いたします。 Thank you(Thanks) for your concern. ( お気遣いありがとうございます。 ) 感謝の気持ちをメインに伝えたい場合は、「Thank you」ではなく「appreciate」を使います。 英語2.consideration(考慮、気遣い、配慮) 「consideration(コンスィダレイション)」は「考慮、気遣い、配慮」という意味を持つ名詞です。 「気遣い」という意味でも使いますが、 考えてくれる「考慮」や、考えて何かしてくれるという「配慮」に近い言葉です。 例文:Thank you for your kindness. (お気遣いありがとうございます。 ) まとめ 「お気遣い」は 「相手が神経を使って何かをしたり、発言してくれることに敬意を表す言葉」です。 「お気遣い」とよく似た言葉に「お心遣い」がありますが、「お心遣い」は「お気遣い+心、お気遣い以上の言動(物をくれる、役立つアドバイスをくれるなど)」という違いがあります。 「お気遣い」も「お心遣い」もどちらも同じような意味で使われることも多いですが、もし相手から何かもらった場合は「お心遣い」を使った方が丁寧な印象になります。 体調を気遣ってもらったなど、相手が自分を少し気にかけてくれたことへのお礼であれば、「お気遣い」を使うといいでしょう。•
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